楽器の向き

プロパノータ wrote

先日とあるお客様から「他の音と比べて響かない」というお電話がありました。

タイプはP10です。

 

結論は叩く際の『向きと角度』の問題だったと思います。

 

響きの問題と言われても、互いに言葉ではなかなか伝わらないですよね。

お聞きしていると一番高い音の「ラ#」の響きが良くないということでした。

パッと思い浮かんだのは、底部のバーを止めているネジが響きを止めているのではないかということです。

 

中央バーを止めている両脇の黒いネジ

 

このネジの締め付けで音の響きが止まる場合があります。

このバー自体は演奏にも音にも関係ない(主に展示用で付いている)ので、『取り外したほうが良いです』とは同封の説明書にありますが、電話でのお話しではその説明は把握していない模様(だいたい、説明書って読まれないですよね。。。ワシもたいてい読まない)。

ひとまずは、そのネジを緩めることにて解決を試みていただきました。

 

たまたま割と近くの方だったので、後日工房まで訪ねてくださいました。

 

その結果が冒頭の「向きと角度」の問題でした。

 

音が高くなるほど音板の長さは短くなります。その高音部が手前側に来ると叩きにくい。

結果、変な角度で当たったりして、響かずに音が止まってしまったりします。

加えて、叩くことに慣れるまでは力みなどもあり、上手く叩けていないということもありますね。

 

そんな構造上の問題がありますので、僕としては一応のポジションというものを想定はしています。

同封してある音の配置図もすべてそのようなポジションに基づいています。

 

叩く際には下に叩くというよりも「上に振り上げる」意識が大切だと思います。

打面に当たった瞬間、上に跳ね上げるような感じです。

 

小学校か中学校の理科で「作用・反作用」ということを習いましたが、まさにその通り。

打面へと下方向への力が加わった瞬間、逆に上向きの力も生じているということですね。

その上向きの力を殺さずにするため、出来るだけ「サッ」っと跳ね上げる。

ただその際にバチを持つ手が力んでいたらやっぱり音を殺しちゃいますね。力を抜くには繰り返していく中で慣れていくしかないと思います。

 

プロパノータに限らず、ギターやバイオリンなど、要するに箱を共鳴させている楽器には良く鳴る音、とそうでない音があると言われます。ギターなどはより多くの音に共鳴させるためボディの形状がああいった形となっているそうです。

 

プロパノータも触れるだけで響き渡る音、それらに比べやや弱い音があることは否めません。

各音の振動とボディの共振度との兼ね合いに加え、音そのものの特性もあるでしょうね。

 

何というか、「高い音は線が細い、もしくは薄い」。。。良く鳴る音に比べ「か弱く」思えるかもしれません。

 

何はともあれ、発送前には響きは十分にチェックしています。

問題があればお客様は不愉快になり、結局そのツケは自分自身が払う事になりますからね。

もっとも初めて音を聞くお客さんに対し、毎日聞いている僕とでは蓄積量が違います。

僕が聞いて問題なければ、恐らく「それは問題ない」と言っても差し支えはない!かな。。

 

P15の最高音「シ、ド」は音板が短く、なおかつ想定されたポジションでは手前に来るので「音を出しにくいです」との説明を載せていましたが、いま確認したら書かれていないですね。。。追加修正しなくては。。

 

どのタイプもバチがアッチ側が基本ポジション

 

手前側「シ、ド」の高音は叩きにくい。

アッチとコッチを入れ替えれば鳴りますが、そしたらコッチ側がやっぱり出しづらい・・